京都の個展が終わりました。
今年、京都では新たな出会いがたくさんあり
そのお陰さまで賑やかな個展となりました。
ご来場の皆様、本当にありがとうございました。
昨日、神戸に行ってきました。
神戸は14年前まで、父と二人展を開くために、毎年十一月に伺っていました。
百貨店の担当の方々とも仲良くしていただけていました。
そこへあの恐ろしい大地震。
その百貨店も大きな被害を受けたとニュースで見て、今年は到底個展など開けない…と二人で話していたことを昨日のことのように思い出します。
ところが、夏になって父から連絡があり「おい、神戸に行くぞ」とのこと。何で?どこに?何をしに?…と思ったのですが「こういう時にこそあなた方親子に神戸の人達を励ましに来てほしいと言われりゃ行かぬわけにいくまい」父の声は興奮気味でした。
そんな神戸の街のルミナリエ。父の他界とともに疎遠になってしまいましたが、多くの方々との思い出もあり、感謝の気持ちが残る神戸の街の供養塔にも見え、ずっと訪ねたく思っていました。
やっと叶いました。
点灯前。多くの人が待ちます。
点灯。
一斉に歓声とどよめきが…
神戸市民が架けたアーチ。くぐりながら、手を合わせて参りました。
市民広場に設けられた光の城。
夢のようなこの場所にいくつもの魂が帰ってきていたように思えます。
近くに寄れば、掌くらいの電球。それが秩序をもち、たくさん集まるとこんな光り輝く塊となる。
震災の年の二人展。父の書く表札が品切れになりました。
被災後10ヶ月。大切な家を失い、やむなく住まう仮設住宅に掛けるのだというお客様の声を聞き、表札の大切さを学びました。「この城は我が物なるぞ」ということを示すことで湧く勇気。復興の象徴のような出来事でした。ご冥福をお祈り申し上げます。